自然言語での指示を使って使える生成AIが広く開発されるようになったことで、多くの人が、生成AIをツールとして使う場面が日常に急速に広がってきました。それに伴って、生成AIを開発する会社や事業へ資金が大きく動くようになり、革新のスピードも早くなっています。わたしも生成AIを業務の中で使うことが増えています。
生成AIによって作られたイラストレーションや写真を含むあるいはすべてを生成で構築した、広告やポスター、店頭POPなどがあちこちで見られるようになってきました。これについて、デザインやイラストレーションを使って、商品やサービスのパッケージやブランドイメージ、広告物などを作る仕事をしている、してきた自分としての立場を書いておこうと思います。ちなみに現在2026年の秋分の日です。
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状況により、考えが変わる場合があります。変更があれば追記していきます
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ロゴマークやラベル表示などがある商品画像などを、生成AIに渡してビジュアルを作るのは現時点ではしないこと
いろいろなブランドや、企業の広報が生成AIで出力したサムネイルやイメージを使ってSNSでの活用を試しているのをお見かけします。ブランドロゴや、商品ロゴ、などを生成AIに渡して、それを使って作成されたビジュアルイメージは、多くの場合、元の形を多少失ったものが出力されてしまっているようです。
調べてみましたが、画像をAIにアップロードし、「これらを使って〇〇な画像を生成して」と指示をすると、一旦その画像をデジタル的にスキャンして、どのような内容が書かれているかを確認したあと、似たような感じに模写したものが生成されているということのようです。
これまでのデジタルデータによる印刷物や画像、動画などの制作フローでは、ロゴや、写真・イラストなどのデータを印刷やウェブなど色んなところで使う場合、元のデータを複製すると、全く同じデジタル情報をもったデータが複製されて、印刷屋さんや、デザイナー・編集プロダクションなどに渡して、該当の位置に落とし込んで入稿して印刷・または画像書き出し、などしていました。
ですが、生成AIではそうではなくて、似た見た目の別のもの、が出力されます。なので、たとえば文字が違う文字になっていたり、形の複雑な部分が、ぐちゃっと表現されていたり、ロゴの配置などが元データと違っていたり、書体が似ているけど別のものになったりしてしまいます。
いずれにせよ、自分のロゴや商品写真などを自らちょっと壊して使っているという状況です。せっかく作り上げてきたブランドイメージや、商品イメージを自分から毀損する状態になってしまうし、その状態でもいいと思っていると受け取られてしまいかねません。非常にもったいない行動だと思います。短期的なイベントなどの告知を簡単に出力できることの魅力はすごくわかります。今すぐ告知したいと思った時に、これまで、デザイナーに頼むと時間や手間がかかることがネックだったなら、生成AIは便利です。ですが、その場合は、ロゴや商品写真は、あとから合成するなどの方法で使うようにするなどのガイドラインを作って、自分たちのブランドイメージや商品の価値観をキープできるようなしくみが必要だと思います。
特に生成AIで気軽に出力したPOPのイメージは、大手の量販型のスーパーでの使われ方などを経て、初期の頃に比べて安っぽく感じさせる方にかなり傾いていますので、自社の商品のイメージと照らし合わせて、使い方に十分配慮することが必要です。
生成AIによる提案はしません
提案内容の添削も固くお断りします
現時点で、わたしのクライアントワークでは、納品物に生成AIの出力が含まれるものを検討することは基本的にありません。AIを利用した表現を使った制作を希望される場合は、相談して双方納得の上の利用を検討します。
また、お渡しした提案資料をクライアント側で生成AIに入力し、修正案を作ることは固くお断りします。未発表の提案を外部サービスに送るということになりますし、提案内容には、クライアントから提供された情報が含まれることが常ですので、情報管理の観点からも利用は控えるのが妥当だと思います。
ここからは現時点でわたしが、「生成AIと呼ばれるサービス」を業務の中でどのように使っているかを書いてみます。
情報の収集・取りまとめ・言語化のたたき台の作成
まずもっとも大きく利用しているのは、情報収集と集めた情報の整理です。たとえばなんらかのプロジェクトをはじめる時に、これまでも関連書籍やウェブサイトでのページなどを広く確認していました。それらのリサーチから、必要な言葉や表現につながる物事を自分なりに抽出して、最終的にどんなプランでいくかを考えまとめていました。
関連のウェブサイトの確認については、これまでも検索ワードによるリーチで集めたものを見ていく形でしていたのですが、AIにこのようなサイトを探してほしいと指示すると、記載されている概要とともに一覧を表示するようになったので、そちらを見ることが増えています。これは、生成AIが生成しているというよりも、こちらの意図を汲み取って、必要な情報を類推し、引用してくるという動きがメインなので、生成しているというと少しイメージと違う動きだと思います。
ですが、この内容をいくつか引っ張って、こういう感じのプロジェクトに合う内容かどうかをまとめてほしいとか伝えると、文章でとりまとめたものを表示します。これは生成に当たると思います。
また、こういうサービスを予定しているのだけど、告知するのに必要な項目をまとめてほしい、などと告げて、必要な項目のピックアップをするなどにも使っています。実際に何が必要かは自分が決めることなので、追加や削除をすることも多いです。あくまでたたき台になります。
自分では作れないコードの作成
わたしは、ウェブ制作を独学で学んできました。また、大学時代にプログラミングも少し勉強しています。なので、思いついた機能をウェブやアプリケーションに実装することが出来そうかどうか、くらいまでの予測はできるし、エンジニアの方に依頼する前に、技術面でこれを使えばできそうだけどどうですか?くらいの提案は、できるレベルの知識をもっています。ですが、自分で確固たる意思を持ってコードを書くことは出来ません。なので、自分の中でこういうものつくってみたいな〜こういう機能を実装したいな〜と思っていたことを、ClaudeCode等でコード生成してちまちま実装したりしています。出来ない部分の補完ツールのようなイメージです。
画像生成について
Photoshopでは、以前から、写真の一部から類推して、塗り足しを作成する機能があります。「コンテンツに応じた塗りつぶし」という機能です。これは、写真のサイズがちょっとだけ足りないから背景を伸ばしたいとか、机の上に映り込んでいるものを消したいとか、そういうときに、違和感なく、その部分を塗りつぶした画像を描画する機能です。これは画像生成ではなく、画像処理アルゴリズムによるものです。
またPhotoshopでもIllustratorでもスキャンした画像からベクターパスを作成する画像処理アルゴリズムがあります。こちらは、手描きの文字やイラストからロゴなどを作成し、拡大縮小に耐えるようなデザインとしてベクターにするときなどに以前から使っています。
これらはどれも、自分で撮った写真や描いた線をもとに加工する機能です。生成AIは元のデータをそのまま使うのではなく、指示された言葉と、学習した膨大なデータをもとに、別のものを描き直すので、ここが大きく違います。
現在では、PhotoshopでもIllustratorでも、上記の機能とは別に、自然言語の指示から画像を生成できるようになっています。クライアントワークでは、提案も含めてこちらを使ったことはありません。自分のブログやSNSでの発信の中で、一部試しに使ったことはありますが、作品や仕事としてのビジュアルには使っていません。
アプリやフォルダの操作
思いついたことをChatでサッと調べたり、考察することができるようになったので、やり取りして少し検討しかけたことで、実現したいという手応えを感じたときなどは、その場で考え始めると他のスケジュールと折り合いがつかないので、後日時間をとって作業できそうな日に、カレンダーにスケジュール追加してもらうようにしています。また、作業内容のログを取るフォルダが決まっているので、そこがどのくらい更新されたかを翌日チェックして、レポートしてもらってます。ついでに、これからやるとよさそうなタスクもまとめてもらっています。
こういう感じで、アプリや、自分のデスクトップ上のフォルダの中を見て、操作の指示をすることがあります。
自分のイラストやデザインでは生成AIで作ったビジュアル表現は使いません
これ以上のことは、現時点では行っていません。イラスト制作の下書きは自分でしていますし、ペン入れも自分でしています。デジタル上でやっていることが多いですが、紙とペンで描いたり、実際にパッケージモックアップを作るなどもしながら作業しています。
